2024.01.03 Wednesday
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森の日溜り猫溜り日溜りでまどろむ猫の夢うつつ
since 2006/10/31 ↓シリーズものの目次を作りました 2013.07.14 Sunday
【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(2/2)、メモ
●p.574 知っていたと思うが、目をつぶってしまった。もし計画が達成できたなら、私の夢が実現しただろう。 そしてその企みの核心が Deathly Hallows だった。二人はそれに魂をうばわれた。不敗の杖、それは力へと導いてくれる武器だ。甦りの石、ダンブルドアは気付かないふりをしたが、グリンデルヴァルトにとっては Inferi の軍団を意味していた。ダンブルドアにとってはそれは両親の帰還、そして自分の肩に担っているすべての荷を降ろすことを意味していた。 そして透明マントについては、あまり話し合わなかった。自分たちは透明マントなしでもうまく身を隠すことができたので、自分たちと同様に他人を隠すのに使えるというくらいの感じだった。Ariana を隠すのに役立つかなくらいで、透明マントに対する興味は、3つ揃えると死の支配者となるという伝説のためで、それは無敵となることを意味していた。 無敵である死の支配者、Grindelwald と Dumbledore! 狂気の2ヵ月、残酷な夢の、そしてダンブルドアに残されたたった二人の家族をないがしろにした2ヵ月間だった。 不安定な妹を連れて秘宝探しに出かけるなんて不可能だという弟の言う現実を聞きたくなかった。口論は喧嘩となった。Grindelwald は自制できなくなった。いつも彼の中に感じていたが見なかったことにしていたものが、突然恐ろしい存在となった。そして母親がくれぐれもよろしく頼むと言っていたのに、Ariana は死んで床に倒れた。 Dumbledore は泣き始めた。 Harry は Dumbledore の腕を握り、Dumbledore は徐々に持ち直した。 Grindelwald は逃げた。しかし Dumbledore がたきつけた夢と野望を実現しようとするだろう。 ●p.575 年が過ぎ去り Grindelwald が計り知れない力の杖を手に入れたという噂が流れてきた。魔法省大臣になるよう請われたことも一度ならずあったが、断った。権力を持った自分は信用ならなかった。 「でもあなたは、Fudge や Scrimgeour より遥にましです」と Harry は突然叫んだ。 (以下も ダンブルドアの独白とハリーの慰めが続きます。以下語られたことは:) 権力がダンブルドアの弱点であり誘惑の元である。権力を持つにふさわしい者とは自らは権力を求めない者だ。そのような者は、Harry のようにリーダーとなることを無理に押しつけられ、そうせざるを得ないからそうして、そして驚くうちに後を継いでしまうのだ。 (そんな弱点を持つダンブルドアでも)Hogwarts では大丈夫だった。良き教師であり得たと思う。しかし若き魔法使い達を教えている間に、Grindelwald は兵を募り始めた。彼はダンブルドアをおそれているという噂だったがダンブルドアが彼をおそれている程度よりはおそれ方は少ないと思っていた。 死をおそれたのではない。魔法では若干ダンブルドアが上だと思った。Ariana を殺したのは、自分とグリンデルヴァルドとどちらの魔法なのかということだ。単に傲岸さと愚かさのために妹を殺してしまっただけではなくて、直接に妹の命の火を吹き消してしまったのではないかということだ。 結局これ以上引き伸ばすのは恥だというところまで対決を延ばした。人が殺されていき彼を止めるのは不可能に思われ、ダンブルドアは自分ができることをしなければならなかった。 結果は、知っての通り、決闘に勝ち、あの杖を勝ち取った。 ●p.576 再び沈黙が訪れた。(ダンブルドアの独白終了) Harry は Dumbledore がみぞの鏡で何を見たかを知り、またその鏡が Harry にとってどれほど魅惑的かをなぜ Dumbledore が知っていたのかが分かった。 二人は長い間黙って座っていた。後ろで例の生き物がめそめそしているのも気にならなかった。 「Grindelwald はVoldemort があの杖を手に入れるのを阻止しようとしました。嘘をついてそんな杖など持っていたことはないふりをしました」とHarryは言った。Dumbledore はまだ泣いていた。 「彼は後年 Nurmengard (の独房)で改悛したそうじゃ。Voldemort への嘘は償いだと思いたい。秘宝を渡さないための」 「あるいはあなたの墓を暴かさないために」と Harry。 しばらくしてまた Harry が口火を切った。「甦りの石を使ったのですね」 「その秘宝をこそ切望したのじゃ。どうかしていたのじゃ。今やそれが Horcrux であり指輪はきっと呪いが掛かっていることをすっかり忘れておったのじゃ。指輪を見つけたとき、拾い上げて指にはめて、そしてしばらくの間 Ariana と両親に会ってどんなに申し訳ないと思っているかを伝えたかったのじゃ。」 「わしはそれほどまでに愚か者じゃ。何も学んでおらなんじゃった。わしには秘宝を揃える資格が無いのじゃ。何度もそれを身を以て実証したあげくの最後の証明じゃった」 愚かじゃなくてそれが当然と慰める Harry。 「わしには一番見劣りのする非凡でないものだけが似合ったのじゃ ●p.577 自分の Elder Wand だけにふさわしかった。Elder Wand を自慢せず、それで人を殺さない。わしはそれを使うことを許された。なぜなら、それで奪うのではなく他人をそれから守ったからだ。 しかし、無駄な好奇心から手にした透明マントは、真の所有者である君に作用するようには、わしには働かなかっただろう。 甦りの石をわしは彼らの平安から引き戻すために使った、君のように自己犠牲のためではなく。」 もはや Harry には Dumbledore への怒りは無かった。 「なんで話を難しくする必要があったのですか?」 「(今思えば)Miss Granger が君の歩みを遅らせることを期待しておったならばと思うが、その時はわしは君の熱い頭が君の良心を制圧してしまうことを心配していたのじゃ。」 Dumbledore の語る、なぜ分かりにくくしていたかの説明:Dumbledore のようにこの秘宝の魅力に引きずられ、間違ったときに間違った使い方をしないかと心配した。手に入れたら必要なときまで安全に保管してもらいたかった。Harry は真の死の支配者、なぜなら、真の死の支配者は死から逃れようとしない。死ななければならないことを受け入れる。 Voldemort は死の秘宝について知っていたなら甦りの石を Horcrux にはしなかっただろう。知っていたとしても、甦りの石や透明マントには興味を示さなかっただろう。しかし、Harry の杖が Voldemort の杖を打ち負かしたので、杖は追い求めるに違いない。双子の芯ですべて説明がつくと思ったが借りた杖では負けていた。だから Voldemort は ●p.578 Elder Wand が、彼の最後の弱点を取り除き、無敵となると信じた。 Snape によって殺されると計画したとき、Elder Wand の最終保持者が Snape になる予定だった。しかしそうはならなかった。 後ろの生き物がびくっと動いてうめいた。 Harry と Dumbledore は長い間黙ったまま座っていた。 雪が優しく降り積もるように、Harry には次に何が起こるかが次第に分かってきた。 「僕は戻らなきゃいけませんよね?」 「それは君次第じゃ」 「選択できるということですか?」 「もちろんじゃ 戻らないのなら列車に乗ることができるじゃろう」 「どこへ着くのですか?」 「聖なる町じゃ」 またしばらく沈黙。 「Voldemort は Elder Wand を手に入れました。それでも僕に戻って欲しいのですね」 「もし戻ったならば、彼を永遠に止めるチャンスがあるじゃろう。約束はできんがの。しかしここに戻ることは君より彼の方が恐れているじゃろう」 「死者を哀れまず、愛無くして生きる者たちをこそ哀れむのじゃ」 「もし戻れば、傷つく者を減らし、引き裂かれる家族を減らせるじゃろう。それが望ましいゴールならば、今は別れを告げよう」 ●p.579 Harry はうなずき、ため息をついた。 暖かく明るく平和なここを去り苦痛と喪失の恐れの中に戻るのは辛かったが、Harry は立ち上がり、Dumbledore も立ち上がり、長いこと見つめ合った。 「最後に1つだけ、これは現実ですか? それとも僕の頭の中で起きていることですか?」 「もちろん、君の頭の中で起きていることじゃよ、しかしそれが現実でないなんてことがあろうか?」 第35章、終わりました。34章で終わったはずのハリーの人生、終わってなかったようです。摩訶不思議なキングスクロス駅のようなしかし神秘的な世界で、死んだはずのダンブルドアとの会話。それによって、ダンブルドアの過去、行動の謎解きが行なわれました。全く防御もせずにヴォルデモートの殺人の呪文を喰らったハリーが何故死ななかったのかということも明らかになりました。ただ伏線として残されているものもあります。Elder wand の最後の正当なマスターはいったい誰になっているのか?ということ。スネイプになるはずだったが、うまく行っていない、と。では誰? そして、ヴォルデモートに殺されて倒れたはずのところで終わっているハリーの人生。第36章ではそこからまた再開なのでしょうか? 次はいよいよ緊迫の最終章へと突入です。 第35章1へ戻る 第34章へ戻る 目次へ 第36章へ進む 2013.07.14 Sunday
【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(1/2)、メモ
J.K.ROWLING HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS --- CHAPTER THIRTY-FIVE --- King's Cross (p.565 - p.579) (2010.3.21 - 2013.6.6) ※読んでる期間が3年以上になっていますが、いったん読み終わったものの、メモの入力をしている暇がなく、時間が取れたときには、読んだことを忘れているのでまた読み直す、の繰り返しで、結局今までかかりました。 前章最後で全てが終ってますが、なぜかこの章の題名は「キングスクロス」 これって、ホグワーツ特急が発着する駅の名前ですね。 なぜにキングスクロス駅?? それとも、そうじゃなくて別の意味がある?? 意味不明ですが、読んでみましょう。 ●p.565 彼は顔を下にして横たわっています。静寂。まったくの独りぼっち。 何かの表面に横たわっている、触れている感覚がある、感覚を感じる自分が存在している、という結論に達してから、自分が裸ということに気が付きました。 目があることが分かりました。明るい霧の中にいます。 起き上がって座ります。 メガネも付けていません。 何か雑音がします。 まず、着るものが欲しいなと思いました。 その瞬間にローブが現われました。 ●p.566 そのローブを着ました。欲すれば現われるということのようです。 どこだろうと見回します。見えるものの描写(省略) 霧の中のどこか近いところから、ゴンゴン打つ音と幼児が泣くような奇妙な音が聞こえますが、それ以外は静寂です。 大広間より広く、天井はガラス張りで、ガランとしていて居るのは自分だけのようです。 音を立てているものの正体を見つけてギョッとしました。皮が剥けたような小さな裸の幼児が座席の下の床に丸まっています。 何とかしなくてはと思うのですが、そっとそばに近づいても何だか恐くて触れることさえできません。 「助けてはやれぬぞ」 ぐるりと見回すと、Albus Dumbledore がハリーに向かって歩いてきています。 ハリーに呼掛け広げる両腕は無傷です。「素晴しい少年だ。勇敢だ。ちょいと歩こうかの」 Dumbledore は、ハリーがさっきは気づかなかったシートへと導きました。二人は座りました。 ●p.567 Dumbledore の姿は元気だった時の姿という描写。 ハリーとDumbledore との会話で明らかになってきたことは: Dumbledore は死んでいるということ。Harry が死んでいるかどうかについては、「そうではない」とDumbledore は思う、と微妙な表現。 ハリーは額の稲妻型の傷跡に手をやりますが、傷跡がないかのような感触です。死んだはず、自分を守ろうとはしなかった、彼に自分を殺させるつもりだった、とハリー。 それが、大いな違いを生んだのだ、と Dumbledore。 ボクは彼に自分を殺させた。 だからボクの中にあった彼の魂の欠片は…… なくなった? まさにそうじゃ。彼がそれを破壊し、ハリーの魂は全きものとなったのじゃ。 でも、なら…… Harry はあの奇形の子供を振り返りました。 我々にはどうしようもない者じゃ。 Voldemort がボクに死の呪文を使い、ボクのために命を投げ出す人もいなかったのになぜ? キミは知っていると思うのじゃが。振り返ってよく考えるのじゃ。ボルデモートが貪欲と残虐の中で気づかずに何をしたかを。 ●p.568 「あいつはボクの血を採りました」 「そうじゃ! ヤツの血管の中のキミの血、すなわち、Lily の守りが双方の中にあるということじゃ。ヤツが生きている限り、ヤツはキミの命を継ぎ止めておるのじゃ」 両方とも死ななくちゃいけなかったのでは?と混乱するハリー。 後ろで苦しんでもがいているものが気になって振り返ります。「どうすることもできないんですか?」 「できることは何もないのじゃ」 「では説明を続けてください」 説明の内容は:ハリーはボルデモートが意図せずして作った7番目のHorcrux。ハリーの両親を殺し赤ん坊のハリーを襲うという凶行によりボルデモートの魂は非常に不安定になりバラバラになり、その部屋から逃れたのは、彼が思ったよりも遙かに少なかった。生き延びたハリーに彼自身の一部分を残したまま去った。ボルデモートの知識はきわめて不完全なままであった。彼は、価値が無いと思うことをわざわざ理解しようとはしなかった。召使い妖精、童話、愛、誠実、純心を何一つ理解しなかった。どの一つをとっても彼自身の魔法力、すべての魔法の力を上回る力があることを彼は把握できなかった。自分を強めると信じてハリーの血を採ったが、ハリーの母親の犠牲をボルデモートの体が有効にし続けることになった。 ●p.569 先生はこのことを前から知っていたのですか? 憶測じゃが、ワシの憶測は上手く当たったようじゃ。 Dumbledore は幸せそうに微笑み、後ろの存在は相変わらずジタバタしている。 あいつが借りて使っていた杖をボクの杖が破壊したのはなぜですか? ダンブルドアにも分からないようですが、推測を尋ねます。 ボルデモートの一部がハリーの中にあること、ハリーの血の中にある母親の犠牲をボルデモートが取り入れたことで、二人の間の絆が二重になった。 それは歴史上もいまだかつて無い強い結びつき。双子の杖を使ってハリーを襲った時に予想外のことが起り、ハリーが思った以上にボルデモートはそのことを恐ろしく思った。二つの杖の間にも繋がりができた。 ●p.570 ダンブルドアは、その時にハリーの杖がボルデモートの力と才能を吸収したと信じる。それでボルデモートがハリーを追跡した時、ハリーの杖は、ボルデモートを認識し、それは Lucius の杖がかつて行使した魔法よりよりも遙かに強かった。ハリーの杖は今や、ハリーの勇気とボルデモートの致死的な技能を持っていて Lucius Malfoy の貧弱な杖では耐えられなかった。 ならなぜ Hermione は簡単に壊せたのでしょうか? それは Voldemort にだけ向けられるものだからじゃよ。 彼はあなたの杖でボクを殺した。 彼はキミを(殺したのではなく)殺し損ねたのじゃ、とダンブルドア。 話題はここはどこ?に。 逆にハリーが尋ねられ、ハリーが考えます。 King's Cross sation のようです。 ●p.571 Deathly Hallows のことをハリーが話題にすると、Dumbledore の微笑みは消え、Harry が自分と同じ過ちを犯すのではないかと、Harry を信用できず、言わなかったことを、Harry に許しを請います。 Dumbledore は死の克服の誘惑に負けたのだった。 ●p.572 Grindelwald もそれを求め、それが二人の優秀で傲岸な若者(Grindelwald と Dumbledore)を結びつけた。 Grindelwald は、3人兄弟の三男の死んだ場所を調べたがった。 3人兄弟のお話が本当なのかと尋ねるハリー。本当に「死(死神)」に出会ったというよりむしろ、3人は非常に才能があって、それらを作ることができたのだろう。 透明マントも代々受け継がれてその末裔に伝えられた。それがハリー。 ハリーの父の数日前に、ダンブルドアは透明マントのことを聞き、調べるためにそれを借り受けた。その数日後にハリーの父が死に、ダンブルドアの元には、3つの Deathly Hallows の内の2つが揃った。 ●p.573 話しは Dumbledore の家族の話になり Dumbledore の懺悔の独白が続きます。 自分は家族を愛していたがそれ以上に自己中心的だった。 母が死に、病気の妹とフラフラしている弟の世話に囚われ、自分は埋もれてしまった。 そこへ、Grindelwald が来た。彼の考えは Dumbledore の心を捉え、燃え上がらせた。muggle は魔法族に従属させられるべきである。 二人は革命の輝かしき若きリーダーだ。 greater good のためだ、損害は魔法族の100倍の利益となって返ってくる、という虚しき言葉で、自分の良心の呵責ををやわらげた。Grindelwald の本心を知っていたか? 第35章2へ進む 第34章へ戻る 目次へ 第36章へ進む |
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