森の日溜り猫溜り

日溜りでまどろむ猫の夢うつつ
since 2006/10/31

 ↓シリーズものの目次を作りました
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    【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(2/2)、メモ
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      【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(2/2)、メモ



      ●p.574
       知っていたと思うが、目をつぶってしまった。もし計画が達成できたなら、私の夢が実現しただろう。
       そしてその企みの核心が Deathly Hallows だった。二人はそれに魂をうばわれた。不敗の杖、それは力へと導いてくれる武器だ。甦りの石、ダンブルドアは気付かないふりをしたが、グリンデルヴァルトにとっては Inferi の軍団を意味していた。ダンブルドアにとってはそれは両親の帰還、そして自分の肩に担っているすべての荷を降ろすことを意味していた。
       そして透明マントについては、あまり話し合わなかった。自分たちは透明マントなしでもうまく身を隠すことができたので、自分たちと同様に他人を隠すのに使えるというくらいの感じだった。Ariana を隠すのに役立つかなくらいで、透明マントに対する興味は、3つ揃えると死の支配者となるという伝説のためで、それは無敵となることを意味していた。
       無敵である死の支配者、Grindelwald と Dumbledore! 狂気の2ヵ月、残酷な夢の、そしてダンブルドアに残されたたった二人の家族をないがしろにした2ヵ月間だった。
       不安定な妹を連れて秘宝探しに出かけるなんて不可能だという弟の言う現実を聞きたくなかった。口論は喧嘩となった。Grindelwald は自制できなくなった。いつも彼の中に感じていたが見なかったことにしていたものが、突然恐ろしい存在となった。そして母親がくれぐれもよろしく頼むと言っていたのに、Ariana は死んで床に倒れた。

       Dumbledore は泣き始めた。

       Harry は Dumbledore の腕を握り、Dumbledore は徐々に持ち直した。

       Grindelwald は逃げた。しかし Dumbledore がたきつけた夢と野望を実現しようとするだろう。


      ●p.575
       年が過ぎ去り Grindelwald が計り知れない力の杖を手に入れたという噂が流れてきた。魔法省大臣になるよう請われたことも一度ならずあったが、断った。権力を持った自分は信用ならなかった。
       「でもあなたは、Fudge や Scrimgeour より遥にましです」と Harry は突然叫んだ。

       (以下も ダンブルドアの独白とハリーの慰めが続きます。以下語られたことは:)

       権力がダンブルドアの弱点であり誘惑の元である。権力を持つにふさわしい者とは自らは権力を求めない者だ。そのような者は、Harry のようにリーダーとなることを無理に押しつけられ、そうせざるを得ないからそうして、そして驚くうちに後を継いでしまうのだ。
       (そんな弱点を持つダンブルドアでも)Hogwarts では大丈夫だった。良き教師であり得たと思う。しかし若き魔法使い達を教えている間に、Grindelwald は兵を募り始めた。彼はダンブルドアをおそれているという噂だったがダンブルドアが彼をおそれている程度よりはおそれ方は少ないと思っていた。
       死をおそれたのではない。魔法では若干ダンブルドアが上だと思った。Ariana を殺したのは、自分とグリンデルヴァルドとどちらの魔法なのかということだ。単に傲岸さと愚かさのために妹を殺してしまっただけではなくて、直接に妹の命の火を吹き消してしまったのではないかということだ。
       結局これ以上引き伸ばすのは恥だというところまで対決を延ばした。人が殺されていき彼を止めるのは不可能に思われ、ダンブルドアは自分ができることをしなければならなかった。
       結果は、知っての通り、決闘に勝ち、あの杖を勝ち取った。


      ●p.576
       再び沈黙が訪れた。(ダンブルドアの独白終了)

       Harry は Dumbledore がみぞの鏡で何を見たかを知り、またその鏡が Harry にとってどれほど魅惑的かをなぜ Dumbledore が知っていたのかが分かった。
       二人は長い間黙って座っていた。後ろで例の生き物がめそめそしているのも気にならなかった。
       「Grindelwald はVoldemort があの杖を手に入れるのを阻止しようとしました。嘘をついてそんな杖など持っていたことはないふりをしました」とHarryは言った。Dumbledore はまだ泣いていた。
       「彼は後年 Nurmengard (の独房)で改悛したそうじゃ。Voldemort への嘘は償いだと思いたい。秘宝を渡さないための」
       「あるいはあなたの墓を暴かさないために」と Harry。
       しばらくしてまた Harry が口火を切った。「甦りの石を使ったのですね」
       「その秘宝をこそ切望したのじゃ。どうかしていたのじゃ。今やそれが Horcrux であり指輪はきっと呪いが掛かっていることをすっかり忘れておったのじゃ。指輪を見つけたとき、拾い上げて指にはめて、そしてしばらくの間 Ariana と両親に会ってどんなに申し訳ないと思っているかを伝えたかったのじゃ。」
       「わしはそれほどまでに愚か者じゃ。何も学んでおらなんじゃった。わしには秘宝を揃える資格が無いのじゃ。何度もそれを身を以て実証したあげくの最後の証明じゃった」
       愚かじゃなくてそれが当然と慰める Harry。
       「わしには一番見劣りのする非凡でないものだけが似合ったのじゃ


      ●p.577
       自分の Elder Wand だけにふさわしかった。Elder Wand を自慢せず、それで人を殺さない。わしはそれを使うことを許された。なぜなら、それで奪うのではなく他人をそれから守ったからだ。
       しかし、無駄な好奇心から手にした透明マントは、真の所有者である君に作用するようには、わしには働かなかっただろう。
       甦りの石をわしは彼らの平安から引き戻すために使った、君のように自己犠牲のためではなく。」
       もはや Harry には Dumbledore への怒りは無かった。
       「なんで話を難しくする必要があったのですか?」
       「(今思えば)Miss Granger が君の歩みを遅らせることを期待しておったならばと思うが、その時はわしは君の熱い頭が君の良心を制圧してしまうことを心配していたのじゃ。」
       Dumbledore の語る、なぜ分かりにくくしていたかの説明:Dumbledore のようにこの秘宝の魅力に引きずられ、間違ったときに間違った使い方をしないかと心配した。手に入れたら必要なときまで安全に保管してもらいたかった。Harry は真の死の支配者、なぜなら、真の死の支配者は死から逃れようとしない。死ななければならないことを受け入れる。
       Voldemort は死の秘宝について知っていたなら甦りの石を Horcrux にはしなかっただろう。知っていたとしても、甦りの石や透明マントには興味を示さなかっただろう。しかし、Harry の杖が Voldemort の杖を打ち負かしたので、杖は追い求めるに違いない。双子の芯ですべて説明がつくと思ったが借りた杖では負けていた。だから Voldemort は

      ●p.578
       Elder Wand が、彼の最後の弱点を取り除き、無敵となると信じた。
       Snape によって殺されると計画したとき、Elder Wand の最終保持者が Snape になる予定だった。しかしそうはならなかった。
       後ろの生き物がびくっと動いてうめいた。 Harry と Dumbledore は長い間黙ったまま座っていた。
       雪が優しく降り積もるように、Harry には次に何が起こるかが次第に分かってきた。
       「僕は戻らなきゃいけませんよね?」
       「それは君次第じゃ」
       「選択できるということですか?」
       「もちろんじゃ 戻らないのなら列車に乗ることができるじゃろう」
       「どこへ着くのですか?」
       「聖なる町じゃ」
       またしばらく沈黙。
       「Voldemort は Elder Wand を手に入れました。それでも僕に戻って欲しいのですね」
       「もし戻ったならば、彼を永遠に止めるチャンスがあるじゃろう。約束はできんがの。しかしここに戻ることは君より彼の方が恐れているじゃろう」
       「死者を哀れまず、愛無くして生きる者たちをこそ哀れむのじゃ」
       「もし戻れば、傷つく者を減らし、引き裂かれる家族を減らせるじゃろう。それが望ましいゴールならば、今は別れを告げよう」


      ●p.579
       Harry はうなずき、ため息をついた。
       暖かく明るく平和なここを去り苦痛と喪失の恐れの中に戻るのは辛かったが、Harry は立ち上がり、Dumbledore も立ち上がり、長いこと見つめ合った。
       「最後に1つだけ、これは現実ですか? それとも僕の頭の中で起きていることですか?」
       「もちろん、君の頭の中で起きていることじゃよ、しかしそれが現実でないなんてことがあろうか?」


       第35章、終わりました。34章で終わったはずのハリーの人生、終わってなかったようです。摩訶不思議なキングスクロス駅のようなしかし神秘的な世界で、死んだはずのダンブルドアとの会話。それによって、ダンブルドアの過去、行動の謎解きが行なわれました。全く防御もせずにヴォルデモートの殺人の呪文を喰らったハリーが何故死ななかったのかということも明らかになりました。ただ伏線として残されているものもあります。Elder wand の最後の正当なマスターはいったい誰になっているのか?ということ。スネイプになるはずだったが、うまく行っていない、と。では誰?

       そして、ヴォルデモートに殺されて倒れたはずのところで終わっているハリーの人生。第36章ではそこからまた再開なのでしょうか?

       次はいよいよ緊迫の最終章へと突入です。

       

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      | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 19:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
      【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(1/2)、メモ
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        【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第35章(1/2)、メモ


        J.K.ROWLING
        HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS

        --- CHAPTER THIRTY-FIVE ---

        King's Cross

        (p.565 - p.579) (2010.3.21 - 2013.6.6)

         ※読んでる期間が3年以上になっていますが、いったん読み終わったものの、メモの入力をしている暇がなく、時間が取れたときには、読んだことを忘れているのでまた読み直す、の繰り返しで、結局今までかかりました。


         前章最後で全てが終ってますが、なぜかこの章の題名は「キングスクロス」
         これって、ホグワーツ特急が発着する駅の名前ですね。
         なぜにキングスクロス駅??
         それとも、そうじゃなくて別の意味がある??
         意味不明ですが、読んでみましょう。


        ●p.565
         彼は顔を下にして横たわっています。静寂。まったくの独りぼっち。
         何かの表面に横たわっている、触れている感覚がある、感覚を感じる自分が存在している、という結論に達してから、自分が裸ということに気が付きました。
         目があることが分かりました。明るい霧の中にいます。
         起き上がって座ります。
         メガネも付けていません。
         何か雑音がします。
         まず、着るものが欲しいなと思いました。
         その瞬間にローブが現われました。


        ●p.566
         そのローブを着ました。欲すれば現われるということのようです。
         どこだろうと見回します。見えるものの描写(省略)
         霧の中のどこか近いところから、ゴンゴン打つ音と幼児が泣くような奇妙な音が聞こえますが、それ以外は静寂です。
         大広間より広く、天井はガラス張りで、ガランとしていて居るのは自分だけのようです。
         音を立てているものの正体を見つけてギョッとしました。皮が剥けたような小さな裸の幼児が座席の下の床に丸まっています。
         何とかしなくてはと思うのですが、そっとそばに近づいても何だか恐くて触れることさえできません。
         「助けてはやれぬぞ」
         ぐるりと見回すと、Albus Dumbledore がハリーに向かって歩いてきています。
         ハリーに呼掛け広げる両腕は無傷です。「素晴しい少年だ。勇敢だ。ちょいと歩こうかの」
         Dumbledore は、ハリーがさっきは気づかなかったシートへと導きました。二人は座りました。


        ●p.567
         Dumbledore の姿は元気だった時の姿という描写。
         ハリーとDumbledore との会話で明らかになってきたことは:
         Dumbledore は死んでいるということ。Harry が死んでいるかどうかについては、「そうではない」とDumbledore は思う、と微妙な表現。
         ハリーは額の稲妻型の傷跡に手をやりますが、傷跡がないかのような感触です。死んだはず、自分を守ろうとはしなかった、彼に自分を殺させるつもりだった、とハリー。
         それが、大いな違いを生んだのだ、と Dumbledore。
         ボクは彼に自分を殺させた。
         だからボクの中にあった彼の魂の欠片は……
         なくなった?
         まさにそうじゃ。彼がそれを破壊し、ハリーの魂は全きものとなったのじゃ。
         でも、なら……
         Harry はあの奇形の子供を振り返りました。
         我々にはどうしようもない者じゃ。
         Voldemort がボクに死の呪文を使い、ボクのために命を投げ出す人もいなかったのになぜ?
         キミは知っていると思うのじゃが。振り返ってよく考えるのじゃ。ボルデモートが貪欲と残虐の中で気づかずに何をしたかを。


        ●p.568
         「あいつはボクの血を採りました」
         「そうじゃ! ヤツの血管の中のキミの血、すなわち、Lily の守りが双方の中にあるということじゃ。ヤツが生きている限り、ヤツはキミの命を継ぎ止めておるのじゃ」
         両方とも死ななくちゃいけなかったのでは?と混乱するハリー。
         後ろで苦しんでもがいているものが気になって振り返ります。「どうすることもできないんですか?」
         「できることは何もないのじゃ」
         「では説明を続けてください」
         説明の内容は:ハリーはボルデモートが意図せずして作った7番目のHorcrux。ハリーの両親を殺し赤ん坊のハリーを襲うという凶行によりボルデモートの魂は非常に不安定になりバラバラになり、その部屋から逃れたのは、彼が思ったよりも遙かに少なかった。生き延びたハリーに彼自身の一部分を残したまま去った。ボルデモートの知識はきわめて不完全なままであった。彼は、価値が無いと思うことをわざわざ理解しようとはしなかった。召使い妖精、童話、愛、誠実、純心を何一つ理解しなかった。どの一つをとっても彼自身の魔法力、すべての魔法の力を上回る力があることを彼は把握できなかった。自分を強めると信じてハリーの血を採ったが、ハリーの母親の犠牲をボルデモートの体が有効にし続けることになった。


        ●p.569
         先生はこのことを前から知っていたのですか?
         憶測じゃが、ワシの憶測は上手く当たったようじゃ。
         Dumbledore は幸せそうに微笑み、後ろの存在は相変わらずジタバタしている。
         あいつが借りて使っていた杖をボクの杖が破壊したのはなぜですか?
         ダンブルドアにも分からないようですが、推測を尋ねます。
         ボルデモートの一部がハリーの中にあること、ハリーの血の中にある母親の犠牲をボルデモートが取り入れたことで、二人の間の絆が二重になった。
         それは歴史上もいまだかつて無い強い結びつき。双子の杖を使ってハリーを襲った時に予想外のことが起り、ハリーが思った以上にボルデモートはそのことを恐ろしく思った。二つの杖の間にも繋がりができた。


        ●p.570
         ダンブルドアは、その時にハリーの杖がボルデモートの力と才能を吸収したと信じる。それでボルデモートがハリーを追跡した時、ハリーの杖は、ボルデモートを認識し、それは Lucius の杖がかつて行使した魔法よりよりも遙かに強かった。ハリーの杖は今や、ハリーの勇気とボルデモートの致死的な技能を持っていて Lucius Malfoy の貧弱な杖では耐えられなかった。
         ならなぜ Hermione は簡単に壊せたのでしょうか?
         それは Voldemort にだけ向けられるものだからじゃよ。
         彼はあなたの杖でボクを殺した。
         彼はキミを(殺したのではなく)殺し損ねたのじゃ、とダンブルドア。
         話題はここはどこ?に。
         逆にハリーが尋ねられ、ハリーが考えます。
         King's Cross sation のようです。


        ●p.571
         Deathly Hallows のことをハリーが話題にすると、Dumbledore の微笑みは消え、Harry が自分と同じ過ちを犯すのではないかと、Harry を信用できず、言わなかったことを、Harry に許しを請います。
         Dumbledore は死の克服の誘惑に負けたのだった。


        ●p.572
         Grindelwald もそれを求め、それが二人の優秀で傲岸な若者(Grindelwald と Dumbledore)を結びつけた。
         Grindelwald は、3人兄弟の三男の死んだ場所を調べたがった。
         3人兄弟のお話が本当なのかと尋ねるハリー。本当に「死(死神)」に出会ったというよりむしろ、3人は非常に才能があって、それらを作ることができたのだろう。
         透明マントも代々受け継がれてその末裔に伝えられた。それがハリー。
         ハリーの父の数日前に、ダンブルドアは透明マントのことを聞き、調べるためにそれを借り受けた。その数日後にハリーの父が死に、ダンブルドアの元には、3つの Deathly Hallows の内の2つが揃った。


        ●p.573
         話しは Dumbledore の家族の話になり Dumbledore の懺悔の独白が続きます。

         自分は家族を愛していたがそれ以上に自己中心的だった。
         母が死に、病気の妹とフラフラしている弟の世話に囚われ、自分は埋もれてしまった。
         そこへ、Grindelwald が来た。彼の考えは Dumbledore の心を捉え、燃え上がらせた。muggle は魔法族に従属させられるべきである。
         二人は革命の輝かしき若きリーダーだ。
         greater good のためだ、損害は魔法族の100倍の利益となって返ってくる、という虚しき言葉で、自分の良心の呵責ををやわらげた。Grindelwald の本心を知っていたか?



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        | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 19:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
        【ネタバレ】映画第7作「ハリー・ポッターと死の秘宝」Part2感想
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           原作原著を読み終わったものの、まだメモを上げていないので、映画を見に行くのを先送りにしていましたが、さすがに映画の公開が終わってしまってもいけないので、見に行ってきました。

           結論から言います。

           がっかり

           むしろあまりにもひどい。ひどすぎる。特に、これがこれまでの7巻全部の締めくくりであるだけに、この盛り下がり方は、もうハリーポッターシリーズへの冒涜です。
           原作でハリー・ポッターシリーズを愛する人には言います。この映画は決して見に行かないように。見に行かずに、脳内ファンタジーで埋めてた方がうんとマシです。

           以下、この映画の出来について、罵倒が続きますので、監督のデヴィッド・イェーツさんのファンの方とか、この映画の出来が良かったと思う方は、決して先を読まないように。






           なんと言ってももの凄く悔しいのが、この巻にて自他ともに認めるヒーローになったはずのネビル。華々しい出番を奪われ、かろうじてネビルがナギニを殺したという事実はあるがそれだけ。

           そして、他の出来はどうであっても、とにかくここの出来が良ければ許す、と思われる、ハリーとヴォルデモードとの最後の決戦。

           ギャラリー無しのひっそりしたところで、ヴォルデモードを倒して誰も喜びの歓声を上げないというか誰も見ていないし。

           これで盛り上がれと(;゚−゚)??

           これまでの6巻分の長き長き旅路の果てがこれだと(;゚−゚)??

           いい加減にしろーーーヌオ〜ォ!(ノ-0-)ノ ┫∵:.

           デヴィッド・イェーツ監督、なにか、ネビルやハリーに恨みでもありますか?
           やったことのない3D化をさっさとしろとか言われて、やる気なくして投げやりになってますか?
           
           Part 1 はまだもっとマシだったのですけれど、Part 2 は、とても Part 1 と同じ監督の手によるとは思えない、熱の抜け方です。(熱がこもっているの逆) これで、ハリー・ポッターシリーズ全部を最後の最後でコケさせた元凶として私のブログに刻まれました(胸とか記憶とはには刻まれない)


           さて、ではいつものようにネタバレ感想行ってみよーーー


           え〜とPart 1 は、ヴォルデモードがダンブルドアの墓を暴き、エルダーワンドを奪ったところで終わったはずでした。
           Part 2 はちょこっとPart 1 思い出し場面が入ってから、貝殻別荘でグリンゴッツ銀行破りの相談というか、ゴブリンに銀行破りを持ちかけるところから始まります。
           ここで、グリフィンドールの剣をやるとは言うものの時期を明言しないでおく、という作戦を原著では立てますが、映画では、ベラトリックスの金庫に入れたらやる、と明言させています。これは金庫やぶりしたあと、金庫に入る手伝いをするとは言ったが、出るところまで手伝うとは言ってないと言ってゴブリンが裏切る、という形でゴブリンの裏切りを表現させているからですが、そこまで変えるくらいなら省略した方がまだまし。
           でも我慢我慢。
           とにかく、グリンゴッツに侵入するんだという決死の覚悟という感じがあまり出ていない。
           ダイアゴン横町のエピソードはほとんど省略。これも枝葉だからまあいいか。
           銀行でのやりとりも大分違うがまあ我慢我慢。
           金庫を守っていたのは双子の呪文だけ。原著にある燃焼の呪いはありませんでした。なので単にガラクタの山に登る苦労、みたいな感じ。緊迫感無し。
           ハッフルパフのカップを無事取れたかどうか、わたしが映像を見逃したのかはっきりとは分かりませんでしたが、あとでちゃんと破壊したので取れてたんですね。
           ドラゴンでの脱出場面。これは比較的よくできていたと思います。

           湖に着いてから、ホグワーツまでの侵入。比較的簡単にさっさといきます。原作からあまり離れては居ません。
           アバ−フォースとのやりとり。まあいいか。
           ネビルとの再会、逃げ隠れしていたみんなとの再会。これはよい方でした。

           あとはかなりいろんなところが省略。レイブンクローの談話室に入ることもなく、ゴースト灰色のレディからヒントをもらってあっさり簡単に必要の部屋へ。

           ああそうそう、ハリーが戻って、スネイプ校長がみなに、ハリーの情報を隠さず提供せよと訓示しているところにハリーが登場、ハリーとスネープとの対決かというところ、副校長のマクゴナガルがハリー側について戦う。マクゴナガル先生カッコいいけど、なにか原作と大分筋が変わったような。まあこれはこれで良し。

           原作ではロンとハーマイオニーが自主的に秘密の部屋に行ってバジリスクのキバを取ってくるのが、映画では事前にハリーに相談してから行くことに。なんでわざわざ変えるのか、進行上も、二人で思いついて行かせればいいだけで、改変の必要性無し。何だかここのあたりからおかしくなっていく。

           そして秘密の部屋でキバを取ってそのあでハッフルパフのカップを破壊。その時になにやら怪奇現象が起きて、ビックリしてそれから落ち着いてなぜはロンとハーマイオニーは抱き合ってキスする。唐突すぎ。原作はもっと自然にそうなってたのに。なんでわざわざ改悪?
           原作ではティアラはクラッブの出した悪霊の火に当てられてダウンするのだが、映画では、ハリーが破壊しようとすると、その業火の方へ飛んで行っちゃって終り。
           そうそう、分霊箱を壊してもヴォルデモードには分からないという設定なのに、映画では、壊す度にヴォルデモードが苦しむ様子。設定変えるなー!

           そしてフレッドが死ぬ場面が明瞭に描かれていない。その悲しみとつらさを抱える必要が進行上必要だったのに。

           スネイプが死ぬ場面、なにか呪文を喰らって倒れて、ナギニに喰われる(噛まれる)という描き方。ナギニを包んでいた防護呪文は無し。そりゃCGで描くのも面倒かもしれないけれどね〜。手抜き。

           スネイプの記憶をもらうのに、たしかペンシーブに入れる記憶は銀色の髪のような糸のようなあるいは糸を引く液体のような形状だったような気がしたけれど、なんと死に際にスネイプが流す涙を採取。なんかこれまでの経緯を全く無視。
           ペンシーブ、また変わってました。空飛ぶ円盤じゃなかった空飛ぶ浅い水盤になってました。前もそうでしたっけ? ずっと出てくる同じアイテムは統一性を持たせましょうね。

           スネイプの記憶の中。
           リリーの子供時代の姿始めてみた〜(^^)
           スネイプの子供時代もかわい〜 なかなかカッコイイじゃん。
           でもペチュニアとの軋轢とか全然描けてないし、あとの展開も、短すぎて説明無さ過ぎて何が何だか分からずに通過。でも、ハリーを屠殺するブタ同様に殺さずに置いたという表現をそのまま採用。
           ハリーは死を決心したあと、ロンとハーマイオニー、特にハーマイオニーに別れを告げてスタート。

           このあたりからハリーのヒーロー性にどんどんケチを付けている気がする。原作では、叫びの屋敷には3人で行ったけれど、死の森には誰にも言わず、別れも告げずに行くことになってたはず。それが安直なハーマイオニーとの別れ劇にしちゃう。情けない展開に。

           甦りの石を出すところ、決心付いた、って字幕だったけれど、英語で何と言ったか聞き損ねた。ただ原作とは違ったような。それとも字幕だけ違った? こんな大事なキーワード、ラピュタで言えば「バルス」みたいなものだから、勝手に変えるなー

           ヴォルデモードとの決闘シーン。一方的に殺されるはず。杖は仕舞ったはず。そこのところごまかして描出?
           ヴォルデモードのアバダケダブラは気合いがこもっていて良かった。これだけは誉めてつかわす。でも監督さんがいいんじゃなくってきっと役者さんがいいんだよね〜。

           キングスクロスの章の部分。比較的イメージ通り。皮むけた赤子のような生き物は、良く描けてました。これも誉めてつかわす。
           ダンブルドアの告白、ダンブルドアの過去の種明かしはほとんどなし。まあいいけど。
           映画では、ぼくはどうすればいいのですか、とダンブルドアに尋ねていた。あまりにも情けないハリーでもの凄い違和感。原作見てみたが、そんなことは言ってないようだ。ここもハリーをヒーローになんかさせないぞという監督の意図を感じる。わたしにとって見れば悪意とか呪いを感じる。

           さて再び森で。
           ナルシッサ・マルフォイがハリーにドラコの消息を尋ねる。原作でハリーは、小声でyesと答えるんだったと思うが、映画では何とうなずくのだ。頷けば死体が動くからバレるだろ−がーーー なんで原作がうなずくでなくて小声で囁き返したのか考える頭はないのかボケーーーー!(ノ-0-)ノ ┫∵:.

           死体が死んでいるのか確かめる死体いじめの行動は全くなし。


           さてそのあとがむかつくシーンの始まり。

           降伏を呼掛けるヴォルデモードに、誰も動かない。そこにマルフォイ両親のドラコへの戻ってこいコール。ドラコが戻る。
           そんなシーン無いだろ。

           そして、次にネビルが出て、なにやら言う。
           その隙に、ハリーが飛び降りて再び戦闘へ。ただし、死喰い人から逃亡者続出。情けないぞ。

           そうそう、というか、死喰い人多過ぎ。ホグワーツに襲いかかる死喰い人の群、ナンジャイこりゃー、ロードオブリングかーーー。その程度の発想しかないんかー− 数で押すだけかよーー 何か情けないありきたりの戦い場面に。

           で、結局、原作ではネビルが一人だけ攻撃して杖を取り上げられ、ヴォルデモードにいじめられるが、グロウブとケンタウロスが駆けつけ、ハリーは逃れ、そしてネビルがナギニを殺す、その重大な場面が映画では何とカットーーーー

           あり得ないから。

           原作では屋敷しもべ妖精まで参戦。それも映画では無し。

           ここで重要なことは、ハリーが死んだとみんなが思っていても、みんなはリーの跡を継いで戦い続けようとしたことが重要で後の盛り上がりを作るきわめて大きな要素なんだけれど、映画ではなんとなくなし崩し的で。がっかり。

           ウィーズリーオバサンがベラトリックスを退治する場面、何だかなー、家族を必死で守る強いお母さんじゃなくって単なる戦い好きな怖いおばちゃんとしか描けていない。あんまりだ。ベラトリックスは粉々になってしまう。変だろそれは。それを見てにんまりするから。ということは人が死んで喜ぶシーンを描きたくないって訳じゃなさそうだ。

           そして一番肝心のハリーとヴォルデモードとの決戦場面。

           あまりにも状況が変わりすぎてて、塔の上から、相打ち狙って抱きついたまま落ちる作戦?? あり得ないから。
           それで死喰い人が転移するあの黒い流れになってあちこちぶつかっていくって原作にない情けない展開。あげくに誰も居ない瓦礫の散らばる広い屋外で決戦。

           あ、その前に、ハリーやロンやハーマイオニーがナギニを殺そうとして苦労する場面がけっこう延々と。そもそも原作にない場面。そしていきなり横から、ネビルが出てきてナギニを殺す。
           ネビルは、ハリーから、ナギニを殺して、と頼まれるという重大な場面無し。だからネビルがナギニを殺すという重さが全然描かれてない。ネビル、ヒーローになり損ね。あまりにもひどい、この場面の取り扱いは。

           そして、ギャラリーの居ないところで、炎のゴブレットの巻で出たような対決。あのね〜。あれはね〜。兄弟杖だったから起きた現象なんだよ−。今度はがちの対決、呪文と呪文とがぶつかってヴォルデモードに跳ね返ってヴォルデモードが倒れるんだよ−。ちゃんと原作読んでる? シナリオライターが書いた台本しか読んでないんとちゃう?
           ヴォルデモードもベラトリックスと同様バラバラになって消失。これも変。
           そして天下の決闘に勝利したのに、ギャラリー居ないから、ヴォルデモード倒しても、歓声も無し、誰も喜んでないし。盛り下がること限りなし。あの、ひょっとして倒しちゃいけませんでしたか?って尋ねてしまいそう。


           城に戻ってみれば戦いで荒れ果てた城と疲れ果てた人々。ハリーが入って行っても、ほとんどの人はハリーに注目もせず。なにこの盛り下がりは?

           初めは、たとえ全巻とおしての悪者であるヴォルデモードであっても人が死んだのを喜ぶなどということを描かない主義の監督かと思ってみた。でも先に書いたように、ウィーズリー夫人はしっかりベラトリックスを倒して喜んでいるし。

           ハリーがみなからやったねと祝福される場面を描きたくなかった、としか思えない。

           で、ハリーがみなから祝福されずに終わるハリー・ポッターってなんやねん。主人公舐めてますか?


           最後で、ハリー・ポッターシリーズ映画の株 暴落。しょもないケチ付けました。


           19年後は軽く描いてて、年取った主人公たちは、リアルにOK、 子役たちもそれなりに面立ちの似た俳優を良く連れてきました。でもそのあたりで凝ってもらってもね〜。


           もし、「7巻映画作り直せデモ」があったら、地球の裏でも参加しに行こうと思います〜(←思うだけ)



           これが全巻の最後だというのが一番許せない。


           もしわたしがスポンサーだったら、デヴィッド・イェーツ監督は速攻馘ですニャン。


           あ〜ひどかった。ここまで落胆した映画も珍しいかも。



          追記1
           そうそう思い出した。エルダーワンドを最後に、二つに折って谷底へ捨てています。これも原作に全くないシーン。原作ではえーっと(;゚−゚)?? 自分の杖をエルダーワンドで直して、そして、エルダーワンドは元の場所に戻すって言ってました。
           その通りに映画化するべきでしょう。

           なにせ、続編が出た時に大きな影響を及ぼしますからね〜〜。ほんとに勝手な監督さんです。困りものです。

          追記2
           ちなみに、3D、字幕版で見ました。
           3Dである必要性は全くありませんでした。それはいかにも3D3Dするよりはよほど好感が持てました。
           字幕見てる間に映像を見落としている部分はありそうですが、いつものハリポタ映画なら、両方見に行ってましたが、今回はもう1回見に行く気がしません。

          追記3
           そういえば、ヴォルデモードを倒した後、原作では、皆にもみくちゃにされ、それから、傷ついた人、愛する人を失った人、そういう人たちにも気を配ってなかなか解放されないハリー。昨夜からずっと徹夜だったのに。
           その時、ルーナが、ルーナらしいやり方で皆の注意をハリーから逸らし、ハリーはその隙に透明マントを被って一人になることができたのでした。あのルーナの場面も好きだったのにな〜。もちろん、映画では、ヴォルデモードの倒し方からしてタコになってましたから、そんな場面も無しです。
           校長室に入って、歴代の校長の肖像画から祝福される場面も絶対必要だったのに。それから、死の秘宝の取り扱いについて、ダンブルドアの肖像の了承を得る場面、そして、自分の杖を直してエルダーワンドは元の場所に戻す。
           そういうあたりを原作はきっちり描いていて、だから、終りもすっきりきっちりとしていたのでした。
           映画の監督は、なにが一番重要かという最大のところで、まったく見当違い。結局スネイプの物語だけしか理解できなかったらしい(苦笑)

          追記4
           そういえば、ヴォルデモードの決闘の場面、原作では、ずっと徹夜でのホグワーツでの戦い、そして、ついにはリートヴォルデモードの決闘。円を描いてぐるぐると回りながら、まずは舌戦。それも見所。そしてついに、夜が明けて朝日の光がさーっと差し込んで舞台を照らしたところで二人の呪文が炸裂、その呪文が衝突した位置の床に印が付いた、と書いてあるくらい、詳細にその舞台を設定して描いてあって、それは原作通りにちゃんと絵にすればよかっただけなのですよね。それをここまで改悪するとは〜〜〜 ほんとにつくづく、この監督だめ!!

          追記5
           分霊箱が壊されても、ヴォルデモードは気が付かない。これはストーリー上絶対外せないお約束。途中でハリー達が分霊箱を破壊しつつあることに気が付いたが、一々実物を確かめないと壊されたことが分からない。映画でも確かめに行っている場面はチラッと出ていた。
           それなのに、分霊箱が壊されると、ヴォルデモードが弱る、だんだんよれよれになっていく描写が。しかも、ダンブルドアがスネイプに残す言葉の中に、いつはリーに自分が死ななければならないかを伝える重要な場面。そこで、「早過ぎては駄目じゃ。ヴォルデモードが弱ってから」というわけ分からない指示が。
           もう原作台無し、踏みにじられっぱなしです。
           だから、分霊箱を壊されてヴォルデモードは弱っていたから、あっさりハリーに殺された、どうも映画監督はそう思い込んでいるらしいです。
           原作の価値も全く台無しに。「愛」や「友情」というヴォルデモードにないものをハリーがたくさん持っていたから勝てるという原作を一貫して貫いていた太い軸がこの映画の最後の最後で粉々に。これで怒らずにおられようか!



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          | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 17:29 | comments(1) | trackbacks(0) |
          【ネタバレ】映画第7作「ハリー・ポッターと死の秘宝」感想
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            JUGEMテーマ:映画


             第7巻に相当する映画「死の秘宝」のPart1を見てきました。
             今回初めてのデジタル化映像(&サウンド)で映画館の設備としては、3D再生可能な設備があるそうですが、今回の映画は3Dかが間に合わず、通常の2Dです。

             映画館、大きなスクリーンに、他の映画館よりも座席の1段ごとの盛り上がりが大きいのか、前の人の頭が全然気にならないくらいの落差がありました。スクリーンが大きいにもか変わらず、映像がクリアなため、全然距離を感じません。これで3Dで飛び出してきたら迫力だろうなぁ。
             最初の宣伝で同じ映画館で12月に封切りになるTRONかな?の宣伝映像が流されましたが、音大き過ぎです。なんか大きな音が出る仕組みが使えるようになったのではしゃいでやたらと大きな音を使ってるって感じ。映画本編はそういうことがなかったのでホッとしました。

             さて、映画の中身です。
             魔法世界をどう映像的に表現するかは、第6作まででほぼ確立しているので、特に目新しいことはありません。
             ストーリーとしては、原作はやたらと長く、しかも内容も複雑、第6巻まではそれでも省略と改変で乗り越えてきましたが、さすがに第7巻は映画の方も上下2巻に別れたようですが、そちらの方が良かったと思います。

             バーノンおじさんが避難する経緯は思いっきり省略、出発の準備のところはチラリとだけ、鏡で手を切る、ダドリーとのからみなどは省略、本当にあとで使うものだけ残してあります。階段下の部屋を見て懐かしむ場面はしっかりありますが頭をぶつけるシーンはなし、ポリジュース薬で偽ハリーが出来る場面はしっかりあり、映像化されると結構インパクトがあります。ブラを付けたハリーが出現して着替えるの見ないでと恥ずかしがるあたり、原作には表現されてませんが、なるほど現実化するとそういうことが起きるんだなぁとちょっと感心しました。

             戦いのシーンは概して激しくて何がなんだかよく分からなくなっています。緊迫感はよく出ています。よく分からないのはワザとそうしてあるのでしょう。
             フクロウのヘドウィグが死ぬ場面はありましたが、その経緯は、ハグリッドのバイクに乗る前にヘドウィグを放し、そして、ハリーが死喰い人に襲われた時に、ヘドウィクが飛んで来て、死喰い人の攻撃するのを妨げ、ハリーを守ろうとして死喰い人の攻撃に当たって落ちていくということになっています。そして、何故ハリーが本物とバレたのかの理由も、ヘドウィグが助けに来たから、ということになっていました。
             これは原作よりもかなりスマートで、スッキリと整理されていた感じがして、これも感心しました。
             ハリーとハグリットの墜落先は、いきなり隠れ穴になっていました。
             パジャマ姿のグールお化けは無し。
             魔法省首相のスクリムジョールの来訪はありましたが、原作にあるような険悪なやりとりはありませんでした。「私は終わる時に開く」の文字が出るのは映画のもっとあとの方になってからでしたがこのエピソードを上手く使っていました。
             ハリーの誕生日のお祝いは省略というか無いことになってました。映画の後ろの方でハーマイオニーが、ハリーの誕生日のお祝いをしなかったわ、とわざわざ言っています。あるのは、ビルとフラーの結婚式だけでした。そこではハリーは姿変えはせずに出席しています。一場面だけ出てくるルーナがかわいかったですね〜。吹き替え版で見たのですが、ルーナの声もカワイイ映像によく似合った声優さんでした。ハーマイオニーもすごく美人になってます。そこでドージやミュリエルおばさんと会って会話をする場面はありました。クラムはばっさりと省略。あ、ハリーとジニーのキスシーンがしっかりありました。ロンが邪魔する場面は無し。
             そこからの脱出や、以後危機を脱出するための姿くらましは突然にサッと行なわれ、まあこれは映像表現的にそうなるしかなく、それで何か簡単に難なく逃避できている感じです。
             
             最初の逃避先、あのロンドンの街中で、ハーマイオニーが小さなバッグに肩まで手を突っ込んで着替えを取り出す場面とか、映像ならではの面白さがありました。死喰い人に襲われる喫茶店も、ほうなるほどこんな雰囲気なのか〜と思いました。

             グリモールドプレイス12番地で、マッドアイが仕掛けたダンブルドアの幻影の仕掛けはちゃんと再現されてました。
             シリウスの部屋で手紙を見つける場面は無し。ロンがRABを発見する場面はあり。クリーチャーとのやりとりはあっさりし過ぎて、いろいろな経緯はばっさり省略。単にマンダンガス・フレッチャーを捕まえてくるだけ。ドビーもそこでくっついてきます。
             叫ぶ肖像画も省略。ルーピンが部屋に来るのも無し。
             魔法省への侵入はかなり原作に沿って表現。

             以後逃避先の大自然の美しさは見事でしたね〜〜。

             食べ物入手に苦労する場面は一切無し。
             テッド、ディーン、ゴブリン達が、ハリー達のテントの近くに来て会話をするシーンは全くなし。
             ロンが出ていくのはありますが、ロンが二人の間を誤解するのは、ハリーがハーマイオニーと、ハーマイオニーの香水について話をしながらテントに帰ってくるから。そこいらのアレンジも巧みによくできていて、この改変もむしろ感心しました。
             この香水の話題は原作にはありませんでした。映画では、防護呪文が効いていてハーマイオニーの姿が見えない状態で、人さらい達の一行がすぐ近くまで来て、匂いで何かいると気付きます。何だkの匂いは、と実際はすぐ近くでクンクンとかいでいます。カメラの視点はハーマイオニー側からその男が見える視点からぐるりと廻っていって、男側からはハーマイオニーが見えない、という状況をうまく映像で表現していました。防護呪文で「何しているんだろう?」という観客の疑問によく答えてくれてました。上手です。感心しました。
             フィニアス・ナイジェラスの肖像画は出てきませんでした。

             ゴドリックの谷、化けも隠れもせずに行っちゃってます。多少の省略をしながらもかなりきちんと映像化。あ、ハリーの家の前でのモニュメントは無し。
             死の秘宝のマークのついた墓石はちゃんと見つけます。これは重要な伏線ですしね。
             バチルダに会ってヘビ化して襲ってくる場面はあり。俺様は登場しません。ハリーの杖がいつ壊れたのかは不明です。あとでハーマイオニーが言葉で説明しています。

             「The Life and Lies of Albus Dumbledore」という本の邦訳は訳本の「アルバス・ダンブルドアの人生と嘘」という訳ではなくて「ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘」って言ってました。これは原作が韻を踏んでいるので、何か工夫して訳さないといけなくて、私は「アルバス・ダンブルドアの人生と不正」と韻を踏んで訳しましたが、訳本では何の工夫もしてなくて呆れてました。この映画の吹替えの訳はなかなかいいですねぇ。感心しました。その中身についてはまったく触れず、ただ、グリンデンバルトの名前が分かる材料としてだけ登場していました。これも適切な省略だと思いました。

             銀色の牝鹿、そして、ロケットの破壊、その場面はよくできてましたね〜〜。ロケットから爆発とともにでて来たモクモクの煙、圧倒的な声と威圧感、偽物のハリーとハーマイオニーが淫らに抱き合ってキスする幻想のシーン、映像ならではの表現でした。よくできています。

             ロンとの再会で、ハーマイオニーがロンを叩くところは無し。直接の暴力行為がないのは、Rなんとかクリアのためでしょうねぇ(^^;)

             さてそろそろ、原作のどこまでがPart1に含まれるのか、気になってきました。
             死の秘宝の印の意味を尋ねるために、ゼノフィリウス・ラブグッドに会いに行く場面はあります。
             死の秘宝のおとぎ話は、まるでおとぎ話の番組みたいに影絵みたいな画面とともにハーマイオニーが物語を朗読してくれます。分かりやすかったですね〜るんるん
             棒を書いて丸を書いて三角を書いて死の秘宝の印になる、原作を読んだだけでは分かりにくかったのですが、これは映像ならではで、ゼノフィリウスが書きながら説明してくれてよく分かりました。ルーナの部屋は出てきません。あの天井の絵のシーンは好きだったのでちょっと残念。
             エルンペントのツノも出てこず、死喰い人の攻撃によって家は半壊し、3人は簡単に姿くらましで脱出です。
             そして人さらい達に捕まってマルフォイ家へ。ルーナと再会。一緒にいる大人とゴブリンの紹介は無し。
             グリフィンドールの剣を見てベラトリックスが錯乱。このベラトリックスの役者さん、狂気の演出が上手ですね〜〜。アズカバンからの脱出の時にも感心してましたけれど。
             ドビーが助けに来て、そしてナイフで刺されて死ぬ場面。よくできてました。
             その場面のあとすぐに、ヴォルデモートがダンブルドアの墓を暴き死の秘宝の杖を手に入れる場面で映画は終わりました。この墓を暴く場面も映像的によくできていましたね〜〜。

             区切りは適当なところでしょうね。訳本でいうと、下巻の途中まで進んだことになります。出来るだけたくさんPart1の方に押し込んだというところでしょう。Part2の方は、丁寧に描きたい場面が山ほどありますからね〜〜。


             さて、感想です。総じて言えば、映像化、原作からの省略、もしくは改変、適切でした。
             が、これは、原作の第1巻〜第7巻全部読んでないと絶対分かりませんね〜〜〜。いきなりこの映画を観たら、さっぱりわかんない、何が面白いの??でしょうね。ちなみに映画の第1作〜第6作を読んでいても、この第7作の展開にはついていけないカモです。いやついて行けないでしょう。これはもう仕方がないかも〜〜と思いました。
             原作(小説)でずっと読んできた人のための第7巻の映像化がここにある、という映画でした。

             そういえば、他の映画では、その省略や改変にかなり不満がありましたが、今回は上下に分けたのでその点で無理をしなくて済んだのでしょう、省略や改変に、私はまったく不満が無く、適切な省略に、原作よりさらに上手な筋への改変にむしろ感心しっぱなしでした。

             Part2は7月とのこと。安心しました。それまでにはなんとか、原著メモを終わらせないと〜〜(^_^;)


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            | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 19:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
            【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第34章、メモ
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              【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第34章、メモ


              J.K.ROWLING
              HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS

              --- CHAPTER THIRTY-FOUR ---

              The Forest Again

              (p.554 - p.564) (2009.12.20 - 2010.3.21)


               第33章は長い章でしたが、第34章は逆に短い章です。
               再び森へ。
               Snape の記憶を覗いて、自分が Voldemort の手に掛かって死ななければ、Voldemort を倒すことができない、と知った Harry。
               タイトルから行くと、Harry は死ぬために森へ向かうと言うことでしょうか。
               いよいよ佳境に入っていきます。


              ●p.554
               結局、勝利への秘密を学んでいるんだと思っていましたが、生き延びることを期待されていたのではなかったのでした。
               死ななければならないと知ったHarry の心理描写がずっと書いてあります。


              ●p.555
               死ぬんだと思うと今生きていることがなおのこと意識されます。
               Dumbledore の裏切りなどもうどうでも良いことでした。より大きな計画があったのです。ただ Harry が愚かすぎてそれがわからなかっただけでした。Horcrux を破壊する役割を、どうせ死ななければならない生け贄にさせる、なんとエレガントな方法でしょう。
               しかし Dumbledore は Harry を過大評価したのです。Harry は失敗しました。あの蛇はまだ生きています。
               Harry が殺されたあとでも、Horcrux が一つ、Voldemort を地上につなぎ止めています。しかし、Harry が殺されたあとだと蛇を殺すのは誰にとっても比較的やりやすい仕事でしょう。誰がしてくれるだろう?


              ●p.556
               Ron と Hermione はずっと遠いところにいるように感じます。ずっと長いこと会っていなかったような感じがします。
               さようならは必要ない、説明も必要ない、それは決めました。
               これは一緒に行ける旅ではないのです。
               17歳の誕生日にもらった金時計を見ました。Voldemort の与えた猶予時間は半分過ぎていました。
               Harry は立ち上がりました。城には誰も居ません。みな大ホールに集まっているのです。
               Invisibility Cloak を引っ張り出して被り、階段を下ります。
               Neville が二人で死体を運んでいました。Colin Creevey でした。


              ●p.557
               大ホールを振り返ります。Hermione、Ron、Ginny 他の Weasley 家の人々、Luna 、は見当たりませんでした。彼に残されている時間を、誰かを最後に一目見るために使えるのであったならと感じました。しかしもし見たら、見るのを止めることができるのだろうか? 見当たらなかった方が良かったのかもしれない、と思いました。
               通り掛かりに、Neville に声を掛けて、透明マントを脱ぎ、そして、Voldemort の蛇、Nagini を殺さなくてはならないこと、Hermione と Ron もそのことを知っていることを伝えました。


              ●p.558
               Dumbledore は、3人にHorcrux のことを知らせて死にました。今や Neville が Harry の代わりです。
               秘密を知っているのはやっぱり3人のままになります。
               Neville は死体を探しに別れました。
               Harry は透明マントを被り歩き続けます。
               Ginny がいました。
               Harry の様々な気持ちの描写。
               ついにいろいろな思いを振りきって、Harry は先へ進みます。


              ●p.559
               Hagrid の小屋が暗闇の中にぼんやり見えます。Hagrid の思い出が色々。
               森の縁に着きました。
               Dementor (吸魂鬼)の群れが木々の間を滑空しています。
               守護霊を出す力はもうありません。
               あれこれ思って連想で(ある意味作者が強引に持っていって)考えが Snitch に辿り着きます。
               「I open at the close.」(私は閉じる時に開く)
               今が「閉じる時」なのだ。Snitch を取り出して口を近づけて言いました。「ボクはもうすぐ死ぬ」
               金属の貝殻が開きました。マントの下で Draco の杖で「Lumos」
               ぎざぎざの割れ目の入った黒い石が入っていました。
               Resurrection Stone (甦りの石)は Elder Wand を表わす縦の線で割れていました。マントと石を表わす三角と丸はまだ見分けが付きました。
               そして再び Harry は考えることなく理解しました。


              ●p.560
               死者を呼び戻すことは何の問題もない。なぜなら、自分がいまからそちらの世界に行くから。自分が死者を呼び戻すのではなく、死者が自分をいざなうのだと。
               呼び戻した死者は、ゴーストでも生身でもなく、あの日記から出てきた Riddle に似ていました。
               彼らは Harry と共に動き、みな愛情のある微笑みを浮かべていました。
               James、Sirius、Lupin、Lily、それぞれの様子の記述があります。
               (死ぬのは)痛くない? 思わず子供っぽい質問をしてしまう Harry。

              ●p.561
               死ぬことかい? ちっとも痛かない、とSirius。
               いろいろな会話。彼らは、他の人には見えないらしいです。
               いよいよ Harry は踏み出します。
               もう Dementor も恐くありません。


              ●p.562
               ささやき声がしたので止まります。
               Yaxley と Dolohov です。
               彼らは Voldemort の元に戻るようです。Harry は後をつけます。
               彼らが行ったのは、Aragog の巣があった場所でした。
               中心に火が燃え、死喰い人がいました。
               Fenrir、Rowle、Lucius Malfoy がいました。


              ●p.563
               Narcissaもいました。
               みなの目は Voldemort に注がれていました。
               Yaxley と Dolohov が、Harry は影も形も見えない、と報告しました。
               「来ると思ったのだが。来ると期待していたのだが」
               Harry は透明マントを脱いでたたんで杖と共にローブの下にしまいました。戦おうとは思いませんでした。
               「俺様は間違っていたようだ」
               「間違ってない」
               Harry はできる限りの大声で言いました。
               Resurrection Stone が転がり落ち、両親や Sirius、Lupinが消えました。
               このときから、Harry は Voldemort 以外のことは眼中にありませんでした。


              ●p.564
               いろいろな反応(声など)が上がりました。
               Voldemort は動きませんでしたが、Harry を見つめました。
               と「HARRY! NO!」という叫び声が。Hagrid が木に縛りつけられていました。
               Rowle が魔法で Hagrid を黙らせました。
               Voldemort が杖を上げ、口が動き、緑の光が吹き出し、全ては終りました。


               いや終っちゃ困るんですけど。まあ end ではなくて、everything was gone. なので、全てのものは行ってしまった。が直訳。
               しかし、He was gone.だと彼はお亡くなりになったの婉曲表現だったりするので、ワザと gone を使っていると考えられます。



              | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 12:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
              【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第33章(4/4)、メモ
              0
                第33章3からの続きです)

                ●p.549
                 遅すぎにならないうちに、必要な情報を与えているのだ、とDumbledore は答えます。
                 自分に教えてもらえないことについてSnapeは苛立っています。自分よりあの少年を信用している、と。
                 Dumbledore の答えは要するにより確実に秘密を守るために、Snapeには教えないでおくということ。
                 秘密が守れる守れないで、Harry は Voldemort と直接繋がっているし、Occlumency(閉心術)はからきしダメだし、とSnape。
                 Harry の心を共有することで Voldemort は苦痛を受けたので、その繋がりをVoldemort は恐れている、とDumbledore 。
                 Voldemort の魂にとっては Harry のような者の魂に触れるのは苦痛なのだと。
                 Snape には分かりません。


                ●p.550
                 二人は Forbidden Forest (禁じられた森)の近くまで来ました。
                 「Severus、キミがワシを殺したあと――」
                 とDumbledore が言い始めたところで、Snape が怒鳴ります。
                 自分には色々秘密にして教えないと言いながら、そんなちょっとした頼み事をする(=Dumbledore を殺すというようなことを、ちょっとした頼み事であるかのように言うという皮肉的表現)
                 で、夜に、校長室で話し合うことに。
                 「Harry は知ってはならぬ、最後の瞬間まで、それが必要となるまでは、さもなければ、必要なことをするのにどれだけの強さを持たねばならぬことか。」と Dumbledore は座ってるSnape の回りを歩きまわりながら言います。
                 「しかし、何をしなくちゃならないんです?」
                 「それは、Harry とワシの間の問題じゃ。しかしよく聞きなさい。ワシの死後、Voldemort 卿が彼の蛇の生命を心配する時が来る」
                 「Nagini の?」
                 「正確にはそうじゃ。命令を果たすためにあちこち蛇をやるのをやめて魔法の保護の元に置くようになったら、Harry に話しても大丈夫じゃ」
                 「彼に何を?」
                 「Voldemort 卿が Harry を殺そうとしたあの夜、Lily が盾となって二人の間に身を投げ出した時、Killing Curse(死の呪い)が Voldemort 卿に跳ね返り、Voldemort 卿の魂の破片が本体から飛び出し、その建物の中で唯一の生きた魂に嵌り込んだ。


                ●p.551
                 Voldemort 卿の一部がHarryの中で生きていて、それがHarry に蛇語を話す力を与え、Voldemort 卿の心との繋がりを与えている。そして、その魂の破片が、Voldemort に戻らずに、Harry にくっついてHarryに守られている間は、Voldemort 卿は死ぬことができない」
                 Harry には、長いトンネルの一方の端から二人の男をみているように感じられました。彼らは Harry から非常に離れていて、彼らの声は Harry の耳には奇妙に響いて聞こえました。
                 「では、あの少年は死なねばならないのですか?」とSnapeは静かに尋ねました。
                 「しかも、Voldemortがみずから手をくださねばならぬ、そのことが必要不可欠なのじゃ、Sevrus」
                 Lily のためにHarry を守ってきたと思っていたのに騙された、とSnape。そして、Snape は守護霊を出す。
                 その守護霊は、牝鹿。(Lily の守護霊と同じ)


                ●p.552
                 これだけ長い年月が経っても? とDumbledore。
                 永遠に。とSnape。
                 そしてまたシーンが変ります。
                 Snape は Dumbledore の肖像に話しかけています。
                 Dumbledore「Harry がおじ・おばの家を出発する正確な日時をVoldemort に伝えねばならぬ。でないと疑われるやもしれぬ」
                 D「Harry の安全を確かなものにするために、囮の案を立てねばならぬ。Mundungus Fletcher を Confundするのじゃ」
                 その他、こまごまとした指示をDumbledore の肖像はSnapeに指示しています。
                 Snape が Mundungs に、囮のアイデアを提案するように指示しているところ。Mundungs は服従の呪文を掛けられているようです。
                 次の場面は、Snape が箒で飛んでいます。Lupin と本当は George である Harry が前を飛んでいます。
                 死喰い人が Lupin に向けて呪文を掛けようとしたその時、Snapeが死喰い人の腕に向かって「Sectumsempra!」
                 しかし呪文は逸れ、George に当たります。
                 次の場面では、Snape はSirius の古い寝室で跪いています。Lily の手紙の2ページ目を読んで涙を流しています。


                ●p.553
                 Snape は Lily のサインがあるページをしまいます。
                 それから、写真を引き裂き、笑っているLilyの部分だけにします。
                 場面が変り Snape は校長室にいます。Phineus Nigellus の肖像が息せき切ってやってきて「彼らはDean の森でキャンプしています」と。
                 Dumbledore の肖像が、Snape からと分からないように Gryffindor の剣を、ハリーに渡すこと、熱望と勇気という状況下でのみ得られるようにせよ、と。
                 Potter にとってその剣がどういう重要性を持つのか教えてくれるように Snape は Dumbledore に言いますが、Dumbledore は教えません。
                 そして、Harry は Pensieve から起き上がり、まさにその同じ校長室のカーペットに横たわっていました。



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                | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |
                【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第33章(3/4)、メモ
                0
                  第33章2からの続きです)

                  ●p.545
                   「闇の帝王は戻ってくる。そしたら Harry Potter は極めて危険にさらされるのじゃ」
                   長い間があり、ついにSnapeは答えた。
                   「まことに結構なことで。しかし、絶対言わないでください。Potter の息子になど言われた日にゃたまったもんじゃない。このことは二人だけの秘密だと誓ってください」
                   「誓おう、君の最もよいところを決して明らかにしない、と」とDumbledore はため息。
                   校長室は溶けすぐにまた現われた。
                   Snapeがいったり来たりしながら息巻いています。
                   「あの父親とそっくりで、愚かしく、傲岸で、規則破りで、有名なことを鼻に掛け、目立ちたがりで、生意気で――」
                   「君がそう見たいからそう見えるのじゃよ、Serverus。他の教授達はその同じ少年について、謙虚で感じが良く適度に才能もあると報告してきておる。ワシは個人的には、魅力的な生徒じゃと思うておる」とDumbledore 。
                   「Quirrell から目を離すではないぞ」
                   色が渦巻き、暗転し、Yule Ball (ダンスパーティー)の終ったあとのEntrance Hall に Dumbledore と Snape は立っています。
                   「Karkaroff の Mark(闇の印)も濃くなってきています。ヤツは恐怖でパニクってます。闇の帝王が没落したあと、魔法省に散々協力してますからね
                   もし闇の印が熱くなったら、ヤツはトンズラするつもりです」
                   「キミも一緒にいくかね?」
                   「いいえ、私はそんな臆病者ではありません」
                   「そうじゃな。キミはIgor Karkaroff より遙かに勇敢じゃ。ワシはときどき思うのじゃが、組み分けはちと性急すぎると」


                  ●p.546
                   (場面は変り)Harry は再び校長室にいます。
                   夜です。Dumbledore は椅子に横向きにもたれかかり、意識が半分薄れ、右手は黒く焼けて垂れ下がっています。
                   Snape が呪文を唱え杖を手首に向けています。
                   薄い金色の魔法薬を飲ませています。
                   しばらくして Dumbledore の意識が戻りました。
                   「なぜ、その指輪をはめたのです? 呪いが掛かっているのはご存知でしょう?」とSnape。
                   Marvolo Gaunt の指輪が Dumbledore の前、机の上に転がっています。
                   それは割れていて、Gryffindor の剣が横にあります。
                   「愚かじゃった。ついしようと思ってしまったのじゃ」
                   「何をしようとされたのですか?」
                   Dumbledore は答えません。
                   「ここまで戻れたのさえ奇跡です。異常に強力な呪いが掛かっていました。」Snapeがその呪いなどについて説明しています(詳細省略)
                   「良くやってくれた、Severus 。ワシに残された時間はいかほどかな?」とDumbledore は明日の天気でも尋ねる口調で言いました。
                   少しためらってから「おそらくは1年。長くは止められません。時とともに広がり強力になる呪いです」
                   「ワシは幸運じゃ。キミがおるから、Severus」
                   「もっと早く呼んでくだされば、もう少し何かできたのに、なんで時間を浪費されたのです!」とSnape は怒ってます。


                  ●p.547
                   「しかしこれでことは単純になった。
                   Voldemort 卿がワシに張り巡らせている企み、哀れな Malfoy 少年にワシを殺させようという企みについて話そう」
                   二人の話は、Voldemort 卿は Draco が成功するとは思っておらず、Draco の両親への懲罰であること、Draco が失敗したら Dumbledore を殺す役割はおそらく Snape になるだろうこと、間もなく学校は Voldemort 卿の手に落ちるので、もはやスパイは必要ないと Voldemort 卿が考えていること。その時には、全力を上げて生徒達を守るとSnapeは約束。
                   Snape がまずすべきことは、Draco が何をしようか探ること、手伝うと持ちかけること。Dumbledore は Draco の企みで Draco 自身や他の生徒が危険な目に遭うことを心配しています。


                  ●p.548
                   最終的に、Voldemort 卿の懲罰からDoracoを救うこと。
                   Snape が Dumbledore に、Draco に自分(Dumbledore)を殺させようとしているのか?と尋ねると、Dumbledore は、もちろん違う、そなたがワシを殺さなくてはならぬ、と答えました。
                   長い沈黙のあと Snape が「今すぐやってあげましょうか? それとも墓碑銘を考える時間くらいは待ちましょうか?」と皮肉っぽく言うと、Dumbledore は「もちろん、すぐではない、その時はおのずからやってくる、今日起ったことによってそれが1年以内ということになった」と傷ついた手を示しました。
                   さらに問答が続きます。死ぬのが問題ないなら、Draco に殺させたらと追究するSnape。Draco の心を自分のせいで引き裂きたくない、とDumbledore 。私の心は引き裂かれてもいい、と? とさらに追究するSnape。
                   キミだけが知っておる。この年寄りが苦痛と屈辱から逃れる手助けをすることがキミの魂を切り裂くかいなかを。考えてみたまえ、Grayback が加わってきたら、あるいはあのBellatrix が。
                   ついに、Snape は承諾しました。
                   「ありがとう、Severus 」
                   校長室は消え、二人は黄昏の光のもと、ひとけの無い城を歩いています。
                   突然Snapeが尋ねます。「あの小僧と何をしてるんです、秘密にして」




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                  | 不思議猫 | ハリー・ポッター | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第33章(2/4)、メモ
                  0
                    第33章1からの続きです)


                    ●p.538
                     「化け物!」そう言って Petunia は Lily に唾を吐きかけて、両親の方へ走って行きました。
                     また光景が変ります。
                     Hogwarts Express (ホグワーツ特急)の中です。Snape はもう学校のローブに着替えています。
                     Snape は Lily が居るコンパートメントを見つけてその向かいに座ります。Lily は窓に顔を押しつけていますが、泣いています。
                     「あなたとは話したくないわ。Tuney が私を嫌ってるから。私達が Dumbledore 教授からの手紙を見ちゃったから」
                     「それがなんだってんだ?」
                     「彼女は私の姉よ」
                     「彼女はたかが――」ここで慌ててSnapeはいいやめました。
                     Snape は Hogwarts へ行けるということでうきうきしています。慰めようと「君が Slytherin に入れるといいけど」と言うと、「Slytherin だって?」とコンパートメントにいた別の男の子が言います。
                     それまで二人にはなんの注意も払わなかったのですが。
                     Harry の父親でした。
                     「誰が Slytherin に入りたがるんだ?そのくらいならオレは退学するぜ」と向かいの子に言います。


                    ●p.539
                     James の向かいに座っているのは、Sirius でした。
                     「ボクの家族はみんな Slytherin だよ」と彼は言いました。
                     寮に関する話題が二人の間で続きます。
                     Gryffindor がいいJamesにSnapeが馬鹿にしたように鼻を鳴らして、この3人でお互いに相手を馬鹿にする辛らつなやりとり。
                     Lily が立ち上がって、Severus に、「他の部屋へ行きましょ」と言います。
                     Lily のことまで馬鹿にする二人。
                     また光景が変ります。
                     大広間、寮決めの場面です。
                     Lily は Gryffindor に。
                     Lily は Gryffindor の席へ行く前に Snape をチラッと見ました。
                     Sirius が、Lily のために席を立ってスペースを空けてやりました。


                    ●p.540
                     組み分けは続き、Lupin、Pettigrew、Harry の父親がGryffindor になってそのテーブルへ行くのを見ました。
                     やっと Snape の番が来ました。Slytherin でした。そこには、監督生のバッジを胸に付けた Lucius Malfoy が居ました。
                     再び光景が変わり……
                     Lily と Snape が城の中庭を言い争いながら歩いています。二人とも随分と背が高くなっており、数年後であることが分かります。
                     Lily は Snape にどうしてあんなぞっとする連中、Avery や Mulciber と付き合うのか、Mary Macdonald に闇の魔法を掛けたと Snape に詰め寄っています。
                     Snape は、Potter はどうなんだ? 夜ほっつき歩いているし、Lupin は毎月満月の夜に病気??
                     と反論。


                    ●p.541
                     反論は成功したかに見えましたが、Lily の反論、Potter 達は闇の魔術は使わないし、Whomping Willow にコソコソ入った Snape をそこにいる何かから James Potter が守った、と聞いた、と言います。
                     守っただって!自分と友人の首を守ったんだろ!あいつは英雄気取りなんだ。君を気に入ってるんだ、と Snape。逆上したり言いよどんだり、動揺しています。
                     James Potter は、傲慢で見下げたヤツだってことは知ってるわよ、と Lily。それでいっぺんに機嫌の直る Snape。そのあとの、Mulciber と Avery に対する Lily の非難ももう耳に入らないようです。
                     まだ光景が変ります……。
                     闇の魔術に対する防衛術の O.W.L の試験の後で、Snape は大ホールをあとにして不注意にも James や Sirius、Lupin、Pettigrew の座っている木に近づいてしまいます。
                     この後どうなるのか、Harry は知っているので、少し離れて見ています。


                    ●p.542
                     Lily が加わり、Snape の援護に向かうのを見ました。
                     Snape は恥辱と怒りで Lily に言ってはならない言葉「Mudblood」を言うのが遠くにいる Harry にも聞こえます。
                     光景がまた変ります……。
                     Gryffindor 棟の入口の前、夜です、ガウンを着た Lily に Snape が謝っています。しかし Lily は容赦しません。死喰い人になって例のあの人に荷担することを目指しているんでしょう、と。軽蔑した様子で Lily は 肖像画の裏の穴に昇って行ってしまいます。
                     廊下が溶けて、次の光景になるまで少し間がありました。
                     丘の上、人のいない寒い暗闇、風が葉のついていない枝を吹き鳴らします。
                     大人になった Snape が喘ぎながら登ってきて、誰かを待っています。
                     Snape の不安感が Harry にまで伝染します、


                    ●p.543
                     今の自分には身の危険がないと分かっていてさえ。
                     突然白いジグザグの光が目をくらまし、Harry は稲妻かと思いました。
                     Snape の杖が飛んでいきました。
                     Dumbledore です。手に持った杖の灯りで顔が照らされています。
                     「Severus 、Lord Voldemort からこのワシに、なんの伝言かな?」
                     Snape は自分の意思で来たことを告げ、警告に来た、いや頼みに来た、と言います。
                     予言のことで、Trelawney の……
                     「ああ、どのくらい Lord Voldemort に伝えたのかね?」
                     「聞いたことは全て!それで彼はそれが Lily Evans のことだと考えています。」
                     「予言は女性については触れておらんはずじゃが。」
                     「彼は(家族)皆殺しにしようとしています。」
                     「彼女が君にとって重要なら命乞いをしてみる事じゃ。」
                     「しました。」
                     「君は胸くそ悪くなるような奴じゃな。


                    ●p.544
                     つまり彼女の夫や息子はどうなってもいい訳じゃな。」
                     「では、全員、かくまってください。彼女と、彼ら全員を。」
                     「で、見返りはなんじゃな?」
                     「み、見返り???!!!」
                     長い沈黙のあと、「何なりと。」
                     丘の上が溶け、校長室に変りました。
                     傷ついた獣のような恐ろしい(うめき)声。
                     Snape が椅子に倒れ込み、Dumbledore が前に立っています。
                     丘の上の時からみじめな百年間を過ごしたかのようなSnape。
                     「あなたが彼女を安全に守っていると思っていたのに」
                     「彼女とJamesは信用する相手を間違えたのじゃ。そなたと同じようにな。
                     Voldemort卿が彼女を助命すると期待してはおらんかったかの?
                     息子は生き延びておる。
                     目は彼女に生き写しじゃ。」
                     「死んだのが私だったら良かったのに」
                     「それが誰かの何かの役に立つとでも?」とDumbledore は冷たい。
                     「もしそなたがまっことに Lily Evans を愛しておったのなら、すべき事は明白じゃ」
                     その言葉がSnapeの意識に届くのに随分時間がかかった。
                     「どういう意味です?」
                     「なぜどのようにLilyが死んだか知っておるはずじゃ。それが無駄に終わらないようにするのじゃ。私が Lily の息子を守るのを手伝うのじゃ」
                     「守りなど必要ない、闇の帝王は去った」

                    (第33章3へ続きます)



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                    【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第33章(1/4)、メモ
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                      【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第33章(1/4)、メモ


                      J.K.ROWLING
                      HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS

                      --- CHAPTER THIRTY-THREE ---

                      The Prince's Tale

                      (p.529 - p.553) (2009.7.19 - 2009.12.20)


                       Snape はその「記憶」を Harry に与えて死にました。
                       第33章のタイトルは、プリンスの物語。プリンスとは、Half-blood Prince (第6巻邦訳では「謎のプリンス」)の Prince すなわち、Snape のことです。
                       Harry が与えられた Snape の記憶。おそらくその中身なのでしょう。

                       では、読んでいきましょう。



                      ●P.529
                       突然 Voldemort の声がすぐ近くでして、ビックリしました。が、魔法で Voldemort が話しかけているのだとすぐわかりました。
                       このまま戦い続ければ、お前たちは全滅だ。しかし慈悲深い Lord Voldemort は、1時間待ってやる。さて直接 Harry Potter に言うが、お前は自分で戦わずに友人達を殺した。お前が出てきて俺様に身を投げ出さなければ、今度こそ俺様が直接戦いに出て皆殺しだ。禁じられた森で1時間待ってやる。森に来い。
                       というような内容。


                      ●P.530
                       Ron と Hermione はブンブン首を横に振っています。
                       Hermione が先にトンネルに飛びこみ、Ron が続き、最後に Harry が道を引き返しますが、その間、さっきの Voldemort の言葉が頭の中でリフレインしています。
                       夜明けまであと1時間くらいでしょうけど、まだ真っ暗です。
                       戦いの残骸、それを片付ける人たち。
                       城の中は不自然なくらい静まりかえっています。
                       皆は大広間に集まっています。
                       Firenze もケガをしています。
                       死者は中央に横たえられています。


                      ●P.531
                       Fred の遺体とその回りの Weasley 家の人々を Harry は直視できません。
                       Ron と Hermione が Harry には何も言わずに、Harry から離れてその輪の中へ入って行くのを Harry は見ています。
                       Harry のせいで他に誰が死んだのか、とても直視することができません。
                       Harry は校長室へ行きます。
                       門番のガーゴイルがパスワードを聞いてきます。Harry は無意識に「Dumbledore!」と叫んでいます。驚いたことに、パッとガーゴイルが飛び退いて道を空けました。
                       校長室の肖像画はみんな出払っています。


                      ●P.532
                       石の Pensieve はキャビネットのいつもの場所にあります。それをデスクまで持ってきて、Snape の記憶を注ぎ込みました。誰かの頭の中に逃げ込めるなら幸せです、それが Snape のものであっても、Harry 自身の思考よりマシです。ためらわずに飛びこみました。
                       巨大な煙突の見える公園に着地しました。女の子が二人ブランコに乗っていて、やせこけた少年が後ろの藪からそれを覗き見しています。男の子の服装は奇妙です。
                       9〜10歳くらいの Snape です。姉妹の下の女の子を食い入るように見ています。
                       姉から Lily と呼ばれた女の子は、ブランコを高くまで漕いで笑い声を上げながら、サーカスの曲芸師のように高く飛んで遠くへ軽やかに着地しました。
                       「お母さんが、それしないようにって言ったでしょ」と Petunia は普通にブランコを止めて言いました。
                       「Tuney、これ見て」
                       公園には他に誰も居ません。


                      ●p.533
                       Lily は落ちていた花を拾い、手のひらに載せると、花びらが閉じたり開いたりしました。
                       「やめなさい!」Petunia は叫びました。
                       「どうやってやるの?」という声には羨望が含まれていました。
                       「決まってるじゃないか」我慢できずに Snape が藪から飛び出しました。Petunia は大声を上げてブランコのところまで逃げ、Lily はびっくりしたもののその場にいました。Snape は、飛び出したことをもう後悔しています。
                       Lily 「何が決まってるの?」
                       Snape ささやき声で「君は魔女なんだ」
                       Lily は気を悪くして、姉の方に行ってしまいました。
                       Snape はコウモリみたいにバタバタと女の子達の方へ行きました。
                       Snape 「君は魔女なんだ、しばらく前から見てたけど。魔女だってことはなんの問題もない。ボクの母さんも魔女なんだ、ボクは魔法使いだ」
                       Petunia は冷笑します。


                      ●p.534
                       「魔法使い! あなたが誰だか知ってるわよ。あの Snape 家の子でしょ。Spinner 通りの」。貧乏人の住むところだっという言い方でした。
                       Petunia 「何コソコソ見張ってんのよ」
                       Snape 「お前なんか見てるもんか。Muggle じゃないか」
                       Petunia は、その言葉は分かりませんでしたが、ニュアンスは分かりました。
                       Petunia 「Lily、行きましょ!」
                       二人は行ってしまいました。Snape はこの初めての接触のために色々計画していたようでしたが、そういう計画はおじゃんになってしまいました。
                       光景が変ります。
                       Snape と Lily が木陰に座って、Snape が魔法界の話をしています。
                       11歳になったら学校の外では魔法を使うことを魔法省から禁止されている、というような話です。
                       「Petunia は、あなたが嘘をついている、Hogwarts なんてあるはずがないって言ってるわ」


                      ●p.535
                       「僕たちに真実で、彼女には違う。僕たちには手紙が来る」
                       「本当に梟が持って来るの?」
                       「普通はね。マグル生まれだと違うかも」
                       「マグル生まれだと何か問題が?」
                       「いやまったく変らない」
                       「良かった」
                       などという会話とか、Snape の家では言い争いが常だとか。Lily は Snape のことを Severus と呼んでいます。Dementers (吸魂鬼)について教えて欲しいと。


                      ●p.536
                       そういう二人の会話を今度はPetunia が盗み聞きしていました。
                       「今度はどっちが見張ってるんだい?」
                       Petunia は、何か Snape を傷付ける言葉を考え中です。
                       結局、Snape の着ているものをあざけります。
                       大きな音がして、Petunia の頭の上に木の枝が落ちてきました。
                       Petunia は逃げていきました。
                       「アンタがやったのね!」Lily も怒って立ち去りました。
                       また光景が変ります。
                       9と4分の3番線です。
                       Snape は母親のそばにいて、4人家族を見ています。Lily が Tuney に何か謝っています。


                      ●p.537
                       Lily「あちらに付いたら、もう一度 Dumbledore 教授のところへ行って気持ちを変えてくれるように頼むから」
                       Petunia「行きたくなんかないわよ!そんな馬鹿げた城なんかには。私はそんな化け物になんかなりたくないわ!」
                       L「私は化け物なんかじゃないわ」
                       P「あなたが行くのはそういうところよ」
                       L「校長先生に連れて行ってくれるように手紙を書いた時には、そうは思ってなかったでしょ?」
                       Petunia は真っ赤になりました。
                       P「そんなこと頼んでないわよ」
                       L「返事を見たわ。とても親切な返事だったわ」
                       P「読まないでよ!なんで見れたの?」
                       Lily はチラリと Snape の方を見ました。
                       P「あの子が見つけたのね。コソコソ私の部屋に忍び込んで」
                       L「Severus が、封筒を見かけて、マグルが Hogwarts から受け取るなんて信じられないって。ただそれだけのこと」




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                      【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第32章(3/3)、メモ
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                        【ネタバレ】ハリー・ポッター原著第7巻第32章(3/3)、メモ

                         第32章(2/3)からの続きです。


                        ●p.525
                         「問題があるのだ」
                         「ご主人様?」
                         Voldemort は Elder Wand を持ち上げ、指揮者の指揮棒のように繊細に正確に持ちました。
                         「なぜ私にはこれはちゃんと機能しないのだ?セブルス?」
                         問いかけられてもスネイプには答えられません。「問題なくお使いになっておられますが?」
                         「いや。いつも程度の魔法だ。私が優れている、しかし、この杖はそうではない」
                         「この杖本来の力が出ていない。他のオリバンダーの杖と同じだ」
                         Voldemort は室内を行ったり来たり。
                         「ずっと考えてきたのだ。なぜお前を城から呼び戻したかわかるか?」
                         Snape の横顔が見えました。魔法の籠の中の蛇を見つめていました。
                         問答が続きます。Harry を探しに行かせてくれと言う Snape に、Malfoy と同じようなことを言う、やつの弱点は人の死を座視できないこと、向こうからやってくる、と言い切る Voldemort。
                         しかし他のものが殺してしまうかも、と、Snape(これも Malfoy も言っていた)。


                        ●p.526
                         「私の、死喰い人への命令は完璧だ。ポッターを捕まえろ。彼の友達を殺せ、たくさん殺せば殺すほど良い、しかしポッターは殺すな」
                         しかしポッターの話ではなく、お前の話なのだ、と Voldemort 。お前はスゴく価値がある。
                         さらにポッターを探しに行かせてくれと粘るスネイプ。
                         Voldemort は、前の2つの杖がハリーを殺し損ねた理由を気にしています。
                         Voldemort の声はずっと静かなのですが、徐々にハリーの傷跡の痛みは増しています。
                         声を押し殺すためにコブシを口に入れ目を閉じると、Voldemort の視点になります。
                         イチイの杖は良く言う通り働いたが、ポッターを殺すのに2度失敗した。オリバンダーを拷問したら、双子の芯のことを言い、別の杖を使うように言った。その通りにしたが、ルシウスの杖はポッターの杖に向き合うと粉々に砕けた。
                         その問答の間中、スネイプは蛇をじっと見ています。
                         3番目の杖を探した。Elder Wand だ。運命の杖、死の杖だ。その前の持ち主、アルバス・ダンブルドアの墓から盗った。
                         そして、スネイプはVoldemort を見、その顔は死に顔のようでした。


                        ●p.527
                         なぜ、Elder Wand が、約束された力を示さないのか。戦いの間ずっとここで考えて、答えが出た。
                         答えは知っていよう?お前は賢い男だ。忠実な召使いであったのに、こんなことになって残念だ。
                         Elder Wand は、私にちゃんと従わない。なぜなら、私が本当の持ち主ではないからだ。お前はアルバス・ダンブルドアを殺した。お前が生きている間は、Elder Wand は真に俺様のものにはならぬ。
                         私はこの杖の主になり、ついにポッターを打ち破らねばならぬ。
                         Voldemort が杖を振り上げると、蛇の籠が転がってきて、Snape が叫ぶ以外は何もできないうちに彼の頭と肩を包みこみ、Voldemort は蛇語で命令しました。
                         「殺せ」
                         恐ろしい叫び声が起り、蛇の毒牙が彼の首を貫き、彼は籠から自分を引き出すことができず、床に倒れました。
                         「残念なことだ」と Voldemort は冷たく言いました。
                         Voldemort は、顔を背けました。何の悲しみも後悔もなく。
                         蛇の籠を宙に浮かせ、スネイプは床に倒れ、首の傷から血が多量に流れました。
                         Voldemort は、部屋から外へ出ました。


                        ●p.528
                         Voldemort はスネイプの死体には一瞥もくれず、蛇の守護球体が Voldemort の後を追いました。
                         トンネルに居る自分の心に戻って、Harry は目を開けました。
                         叫ばないために噛んでいたコブシから血が流れていました。
                         木箱を横にずらして、できるだけ静かに部屋に入りました。
                         死につつある男にどうしたらいいのか分かりません。
                         Harry は透明マントを脱ぎ、憎んでいた男を見下ろしました。大きく見開かれた黒い目は Harry を認め、男は話そうとしました。
                         Harry は男の上に屈み込みました。
                         Snape は Harry のローブの前を掴み Harry を近くに引き寄せました。
                         「受け取れ……受け…取れ…」
                         血では無いものが Snape から漏れ出ました。銀色が掛かった青い、気体でも液体でもないもの、口からも耳からも目からも溢れ出ました。Harry はそれが何か知っていましたが、どうしていいか分りませんでした。
                         Hermoine が魔法で空中からフラスコを取り出して、震える Harry の手に押しつけました。
                         Harry は自分の杖でその銀色のものをフラスコに運びました。フラスコがフチまで一杯になった時、もう Snape には血の一滴も残っていないかのようでした。Harry のローブをつかんでいた彼の手も緩みました。
                         「オレを……見ろ」彼はつぶやきました。
                         緑色の目が、黒い目を捉えましたが、その目の奥の何かが数秒後には消え去り、目は動かなくなり黒く空虚になりました。
                         Harry をつかんでいた手はどさっと床に落ち、Snape は二度と動くことはありませんでした。


                         第32章、終りました。
                         第31章に続き、とても重たい章でした。
                         Fred の死を受けて始まった、第32章。
                         Ron や Percy の悲しみ。
                         悲しんでも居られない、切迫した城の中の戦いの状況。スゴく生々しく描かれていました。
                         大切な人が自分のせいでどんどん死んでいく悲しみと苦しみと怒り。
                         Harry は守護霊を出せなくなってしまうほどに、ショックを受けています。

                         その時の、Luna の励まし。
                         Luna が、自分の部屋の天井に、Harry 達の絵を描いて、「friends」という文字の鎖で自分とHarry達の絵を繋いでいたことを思い出します。(第21章、p.338〜339)
                         「Something happy?」何か楽しいことだって? と問い返す Harry に、堂々と「We're all still here」と言う Luna。普通の文字で書いてありますが(囁きだし)、でも読んでいると「WE ARE ALL still HERE」という感じで。「私達みんなここに一緒に居るじゃない!」って。あの天井の絵のエピソードのあるルーナだからこそ、なおさら効果のある言葉でした。「友達が一緒にいること、それが幸せなこと!」

                         それにしてもスネイプも殺されるとは。スネイプの死に様は、ことのほか詳しく生々しく書き込まれていました。
                         Elder Wand のマスターだったダンブルドアを殺したのは、スネイプ。だから、今の Elder Wand の真のマスターは、スネイプ。それを殺したから、Voldemort がようやく真のマスターになった。そういう話ですね。
                         で、なぜハリーを殺し損ねたかは結局分かっていないようですが、伝説の、Elder Wand を手にして、何しろ、どんな決闘にも勝つという伝説ですから、それの真のマスターになって、ハリーとの決闘に向かうボルデモートでした。





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                        毛利 志生子
                        とても面白かったです。シリーズ化されてますが、まだシリーズは継続中の模様。1冊ずつ買うことをお勧めです。何故ってまとめて買うと徹夜して全部読んでしまいそうだから(^o^)
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                        常日頃、カレンダーは前後合計3ヵ月表示がいいなと思っていました。電波時計で、温度湿度も分かって、カレンダー3ヵ月表示! 私の理想の製品がありました(⌒∇⌒)
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                        これまでの、袋の口パッチンとはひと味も二味も違う優れものです(^o^)
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                        とても残念なことに、2008年8月にお亡くなりになりました。
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